リニアの強引無理 #8:まとめ

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1.超電導リニア技術の長所と短所のまとめ

a)長所は一つしかない。高速時(>150km/h)には、10cmほど浮上し(軌道中央に戻す)案内力も強いので、地震に強いとされる。これ以外は短所ばかりである。

地震に強いと謂えども、軌道自体が歪めばダメである。約25m区間(〜車両の長さ)で4cmも歪めば(静的/動的)、台車の固定金属輪と側壁が接触する。8cmも歪めば、超電導磁石も接触し、車体も側壁も大きな損傷を受ける。先頭車は側壁を擦っているのに、後続車は変わらぬ勢いで突っ込んでくる。どれほど悲惨な事故になり得るか、容易に想像できる。 続きを読む リニアの強引無理 #8:まとめ

リニアの強引無理 #6:不快な乗り物?

外部気圧の変化が大きい

「土管のコンコルド」ことリニア中央新幹線が、飛行機に似ている点がもう一つある。外部気圧の変化が大きいことだ。下図のようにルートはかなり起伏に富んでおり、リニアは最大40%勾配(1000m進むと40m上下)で登り降りする。

出典 JR東海 事業説明資料 p. 10、横軸縦軸スケールを追加

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リニアの強引無理 #5:トンネルと騒音、水枯れ、避難

全線の86%がトンネル

500km/h走行を可能にしている最大要因は、ルートの直線性である。軌道の最小曲率半径を 8kmと大きく設定してある(直径16kmの円周、C2(首都高外側環状線)がすっぽり収まる円の大きさ)。比較のため、東海道新幹線は 2.5kmで、東京—新横浜間には曲率半径 400mの急カーブもある。

直線的なルートとするために、山岳部はほとんどトンネル、土地買収が難しい大都市圏では全て大深度地下トンネルとしている。その結果、ルートの86%がトンネルになるという。品川—名古屋間の路線距離も、リニア 286km、東海道新幹線 335kmと、15%も短い。

小さい車体に大きなトンネル

トンネルと車両サイズの比較(国交省資料を基に筆者が作成)
出典 国交省

上と左図は、国交省技術検討 13ページから抽出したもので、トンネルの縮尺に合わせて、列車を配置している。リニアの車体は小さいのに、断面積の大きいトンネルを使っている。 続きを読む リニアの強引無理 #5:トンネルと騒音、水枯れ、避難

リニアの強引無理 #4:剥き出しの超電導磁石

出典 JR東海リニア特設HP http://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp

リニア用超電導磁石の概要

超電導磁石(SCM=Super Conducting Magnet)は、液体He温度(4.2K以下)に冷却されており、4つ一組で連接台車の両側に配置される。最長16両編成なら、136個ものSCMがある。SCMは長円形で、長さ 1.1m、高さ 0.55mほどと画像から見える(ピッチは 1.35m)。 続きを読む リニアの強引無理 #4:剥き出しの超電導磁石

リニアの強引無理 #3:リニアモーター制御と運転本数の制約

リニアモーターの駆動と制御

この論文に基づき、リニア新幹線の駆動と制御を簡単にまとめる。併せて、列車本数が最大10本/時の制約を考える。

出典 JR東海リニア特設HP

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リニアの強引無理 #2:浮上なのに車輪が4種類!?

出典 山梨県立リニア見学センター

リニアモーター方式の概要

右図は、リニアモーターの概念図で、ふつうのモーターを直線上に展開したものである。内側の回転子に相当するのが車両側の超電導磁石(SCM=Super Conducting Magnet)であり、外側の固定子に相当するのが地上側の駆動用コイルで、品川—名古屋間 286kmの軌道全線に亘って設置される。そのため、駆動用の電力設備・配線も含めて、初期設備投資も維持費もかなり高くなる。 続きを読む リニアの強引無理 #2:浮上なのに車輪が4種類!?

リニアの強引無理 #1:なんのために?

出典 JR東海リニア特設HP http://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp

時速500km、品川—名古屋間を40分、夢の技術とも謳われるリニア中央新幹線だが、その技術的中身を仔細に見ると、優れた先進的なものというよりも、むしろ筋の悪い技術を強引に無理に進めているのではないかと思わざるを得ない。強引無理の代償はコスト、収益性、安全性、環境性、快適性などであり、そのツケはいずれ(すでに)国民に降りかかってくる。

本稿はリニア中央新幹線の技術を批判的に論じるもので、以下 8記事の予定である: 続きを読む リニアの強引無理 #1:なんのために?

踏み間違い事故はなぜ起こる?(FAIL CATASTROPHIC)

出典不明

AT車でブレーキとアクセルを踏み間違える事故が後を絶たない。写真は典型的なコンビニでの踏み間違い事故で、「ダイナミック入店」や「コンビニ特攻」とかの茶化した言い方が定着している。

ブレーキを踏むべき状況で、実際にはアクセルを踏んでしまい、停止すべきところを加速・暴走してしまう事故である。物損事故で済めばよいが、車と壁の間に人を挟むとか、数百mも暴走し死者を出してしまったら悲惨なこと極まりない。

右足A/B踏み替えは「FAIL CATASTROPHIC」

アクセルとブレーキを踏み間違えるという、基本操作ミスがなぜ起きやすいのか? 続きを読む 踏み間違い事故はなぜ起こる?(FAIL CATASTROPHIC)

水素ステーション整備・営業の現状

燃料電池実用化推進協議会のHPに公開されている商用水素ステーションの普及、営業情報をチェックしてみた(2017/9時点)。店舗型ステーション 58カ所、移動式ステーション 43カ所が営業中である。移動式は営業日・時間ともたいへん限定的で(例えば水・金、12:00〜14:00など)、一般ユーザが随時利用可能とは言えないので、対象から外した。

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世界的に終焉が見えてきた原子力発電

2011/3/11からほぼ6年になろうとする昨今、世界的に原子力発電の終焉がはっきりと見えてきた。事業として成り立たたず、関連企業は大赤字で、世界各国で建設計画が中止となり、一方で代替となる再生可能エネルギーがどんどん普及してきただけでなく、石炭火力よりも低コストとなってきた。もはや原発を使う理由は皆無である。安くなく、10万年もの放射性廃棄物管理が必要で、もし事故が起これば天文学的費用が発生する原発は、出来るだけ早く終わらせることだ。

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日刊ゲンダイ 1/24、クリックして拡大

東芝が6800億円もの巨額損失を、原発事業で計上するという。東芝は昨年も、原発事業の子会社・米ウエスチングハウス社(WH)の資産価値を2600億円も減損する処理を行ったばかりである。今回は、そのWH社がただ同然で買収した原発建設会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター」が、受注している原発の建設コスト上昇のため、実は巨額の含み損を抱えているというのだ。詐欺とも思える買収取引だが、原発事業はもはや「ババ抜きゲーム」の様相を呈しており、間抜けな東芝の経営者がまたもやババを掴まされたのだ。東芝は解体必至である。 続きを読む 世界的に終焉が見えてきた原子力発電