集団的自衛権は武力介入の口実

上の画像は調査論文:集団的自衛権の援用事例(pdf)から抜粋したもの。もし小さくて見にくい場合はこちらをご参照。この論文は国立国会図書館発行の月刊調査論文集『レファレンス』No.770(2015年3月)に掲載されている。

論文の冒頭にあるように:
集団的自衛権は、1945年に国際連合憲章第51 条において初めて規定されたことで知られる。しかし、憲章上、加盟国が集団的自衛権を行使するにあたって安全保障理事会への報告を義務付けている・・・
ので、すべての行使例が網羅されているはずである。
最下段 2例(コントラ戦争、グラナダ侵攻)は集団的自衛権としては報告されていないものの、著者は参考事例として含めている。

色分けしたように、見るからに大国(米国、ソ連/ロシア)による内政干渉、自陣営側国家や勢力を支援する事例ばかりが目立つ。特にハンガリー動乱、チェコ事件は酷いもので、当該国の民主化の動きを弾圧しただけである。ハンガリー、チェコともに、他国から攻撃を受けておらず、内乱状態でもなく、支援要請も全く出していないのに、ソ連は勝手に侵攻して集団的自衛権だと言い張ったのである。当然、ソ連は国連で厳しく非難された。

グレナダ侵攻も同様で、米国は気に入らない親ソ軍事政権を崩壊させたが、周辺国との共同態勢を一応は作り上げて体裁を繕い、集団的自衛権とは主張してはいない。

集団的自衛権が国連に承認されて最も組織的に行使された湾岸戦争でさえも、戦争の反動としてアルカイダを産み、911テロ、アフガン・イラク戦争、シリア内戦、イスラム国と一連の因果と悲惨を引き起こしている。

第二次コンゴ戦争でも国連に支持されて集団的自衛権が行使され、2003年6月に終戦となったはずであるが、戦争の余波・混乱は現在も継続中で、アフリカ中央部の諸問題はほとんどこの戦争に由来する。2008年までの累計で、すでに死者 500~600万人とされ、第二次世界大戦以降では最悪の死者数である。

武力では紛争を解決できず、事態を悪化させるばかりである。集団的自衛権は、戦争の当事者を増やし、さらに事態を悪化させているだけという実態が分かる。

 


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