リニアの消費電力が最大となるのは加速時と言われるが、もちろん公表されていないし、具体的な数字を推定した例も知らない。そんな折に、かねてから最も有用と思っていたこの試乗動画を再度観ると、加速度が丸わかりであった!
投稿者: admin
リニアの強引無理 #15A:トンネル換気電力の見積もり
3.5万kW(500km/h巡航時の消費電力)の大半が、空気摩擦として費やされるので、トンネル内の温度は上昇する。トンネル換気の必要性に付いて、国交省2010の P. 37に次の記載がある:
「実際走っていく場合の発熱の影響が確かにあります。例えば空気を切ることによる発熱、これによってトンネルの中の温度が上がるということで、基本的にはこれは換気で切り抜けられるとは思っております。」
1列車通過でトンネル内気温はどれだけ上がるか?
ΔT = 消費エネルギー/質量/比熱 = 2.9℃! 続きを読む リニアの強引無理 #15A:トンネル換気電力の見積もり
リニアの強引無理 #15:消費エネルギー/CO2排出量比較
結果は上画像に集約される。要点は:
・5万kWが500km/h巡航時の総消費電力(とJR東海は認識)
・3.5万kWからの増加要因に換気電力も加えれば、5万kWを説明できる
・N700系と比べ、リニアは4倍の消費電力、(定員が少ないため)7倍のCO2排出量
・リニアの環境性能は、新千歳―羽田航空便と同程度
・リニアの環境性能は、10km/Lのガソリン車にも劣り、8km/L相当 続きを読む リニアの強引無理 #15:消費エネルギー/CO2排出量比較
リニアの強引無理 #14:「CO2排出量は航空機の1/3」は捏造
次稿 #15 で消費エネルギー/CO2排出量を比較する前に、本件を指摘しておきたい。
JR東海は、画像のように「リニアのCO2排出量は航空機の1/3」と主張している(マジェンダは筆者コメント)。多くの資料でも使用しているこの数字は、ウソ/捏造と言うべきである。
この数字を導き出すトリックは:
『長距離仕様のB777-200を比較対象とし、(本来使われない)短距離側に外挿』 続きを読む リニアの強引無理 #14:「CO2排出量は航空機の1/3」は捏造
リニアの強引無理 #13A:緊急停止時間と距離、ディスクブレーキ発熱に不安激増
前稿 #13 で判明したのは、「ブレーキ装置を全て使用して急減速」という看板は偽りであり、JR東海/国交省は以下を想定していること:
Α)通常は、回生と空力ブレーキのみで、発火リスクのあるディスクブレーキは使わない
B)停電時のみ(回生ブレーキなし)、止むを得ずディスクブレーキを使う
本稿では、簡単なモデル計算により停止時間/距離を求めてみる。結果を先に示すと、図のような減速特性となる。
リニアの強引無理 #13:地震と緊急停止と設計欠陥
本稿では、緊急地震速報が出て、車両が減速し始めてから、揺れが到来する場合を考察する。
左図のように、速報を受けたら「ブレーキ装置を全て使用して急減速」とJR東海は想定している。
緊急停止の状況を具体的に考察すると、2つの深刻な設計欠陥が見えてくる。それらは、大惨事や火災に直結し得る。 続きを読む リニアの強引無理 #13:地震と緊急停止と設計欠陥
日本語は原始的?
これら28語、日本語の発音だけで区別するのは難しい。音調や抑揚を少しは変えて話す人も居るだろうが、一般的/共通とは思えない。 続きを読む 日本語は原始的?
リニアの強引無理 #12:直下型地震による被害
リニアの強引無理 #11:耐震性低い、200galで危険域
「高速時は(>150km/h)10cmほど浮上し、案内力も強いので、地震に強い」とJR東海は主張するが、果たして実際どれくらいの地震加速度に耐えるのであろうか? 結論は表題の通りで、案内力が最も強い500km/h走行中でも、200gal超の外力でストッパー輪が側壁に接触してしまう!
案内力は、最大で0.4G相当
2010年国交省資料 P. 28の右上図にある『左右ストッパー輪が接触する左右変位で、約12tの押し戻す力が作用』との記述に注目する。案内力(軌道の中央に戻す力)が最大でどれくらいかを、分かり易く表現している。意外に弱いというのが第一印象である。(ストッパー輪については、本シリーズ#2を参照) 続きを読む リニアの強引無理 #11:耐震性低い、200galで危険域
リニアの強引無理 #10:少ない投資、遅れる工事
グラフは、JR東海が公表した工事費の計画額と実績額である。実績額は 2024年3月期決算説明会資料のP. 19にまとめてあるし、計画額は各年度の「重点施策と関連設備投資について」に記載されている。