1%対99%

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現代の経済的・政治的問題は世界共通に「1%対99%」に起因しています。少数の大企業、超富裕層、特権階級(1%)が富の大半を占める一方、大多数の一般国民(99%)はむしろ貧しくなっています。実質賃金が、日本では過去20年間で15%も減少し、米国では過去45年間にも亘って停滞・下降気味です。

左図は、99%のための政治と1%のための政治の対比表で、安倍政治を念頭に置いています。pdf版はこちら

(1%側が持っている)お金が政治献金となり、1%側に付く政治家を当選させ、メディアへの広告料や資本関係を通じて、1%側に有利な情報や政策を宣伝し、やがては世論をも動かして、政治をそのように仕向けるのです。グローバル基準とか、自由貿易は良いこととか、テロとの戦いとか、原発は安いとかの偏った「常識」は、メディアでの長年の宣伝を通して刷り込まれたものです。意図的ではないとしても、「もっと儲けたい」という資本の論理が、政治献金とメディアという手段を使って、政治を必然的に曲げていくのです。注意すべきは、この手段は合法的であり、表面上は民主政治の手続きに沿っていることです。

政治はこのような「資本の論理」を抑制し矯正しなければならないのですが、むしろ増長させているのが新自由主義です。技術革新のペースが鈍ってきた1980年代から、新自由主義は顕著になってきました。それ以前は、新しい技術により新しい価値がどんどん創造されていた時期で、底上げにより経済成長の恵みを広く分配できていました。新興国が先進国に追いつく過程も類似です。

しかし新たな価値の創造が乏しくなってくると、価格競争、シェア競争、規模の競争が熾烈になります。価値を生まない競争は、誰かが得をすると誰かが損をするゼロサムゲームの様相を呈します。企業は利益を上げにくくなり、様々な規制緩和を政府に求めてきます。雇用の流動化や海外進出の支援はその代表例でしょう。そのしわ寄せは、賃金の低下や、工場の海外移転で失業などの形で、99%側に跳ね返ってきます。結果的に、1%の富裕層のために、99%の一般国民が犠牲になり、格差が拡大する構図です。

米国では大統領選挙を通じて、「1%対99%」の構図が広く認識され、一貫して「99%側の立場」に立ってきたサンダース候補が大躍進しました。彼が当選していれば、「99%革命」として歴史に刻まれたことでしょう。支持層が人種的に偏っていたトランプ候補が、意外にも勝利したのは、彼が「99%側」を装っていたのも大きな要因です。

日本では、残念ながら、「1%対99%」の構図は十分に認識されていません。図に示すように、安倍政治は呆れるほどに「1%のための政治」です。ほとんどの政策が一般国民にはメリットがなく、損ばかりなのですが・・・。十分に認識されていない唯一無二の理由は、安倍政権が徹底的にメディアに介入し操作しているからです。

「1%のための政治」の最大の弱みは、「99%が事実をありのままに知る」ことです。99%が正確に事実を知れば、1%のためではなく、99%のための政治を求めるに決まっています。圧倒的に多数なのですから、たちまち政権はひっくり返ります。我々99%自身が事実を認識すること、それを広めることが、安倍政権と闘う正道です。


対比表は安倍政治に対するほぼ全否定になっています。表には含まれない次の3点(円安、建築好況、若者雇用の改善)は、アベノミクスの成果と一般には誤解されているかも知れないので、もう少し言葉を追加します。

1)円安
先行していた米欧と競うように、日銀の異次元金融緩和により、通貨安の政策をとりました。輸出企業にとってはプラス。しかし生産の国内回帰は極めて限定的であり(雇用は増えない)、輸出はほとんど伸びないという意外な現実です。日本の将来の人口減を見越しての企業判断なのでしょうか。海外子会社から受け取る配当金は、円ベースでは増額します。また観光業にも大いにプラスで、訪日外国人数は最高を更新し続けています。
他方、一般国民は輸入品価格の高騰(特に食品)で損をしています。国民の8割には円安はマイナスと言われており、つまり日本全体にはマイナスです。輸出企業の社員でさえ、物価上昇に見合うだけの賃上げがあったのは少数でしょう。
消費支出が伸びず、日本経済が成長軌道に乗らない原因は、消費税増税と円安です。

2)建築好況
東日本大震災の復興需要に起因します。住宅40万戸が全半壊し、堤防や市街地嵩上げなど土木工事もあり、復興需要は莫大で広範囲に及びます。人手不足や建築資材の高騰を忽ち招き、復興のペースは遅く、予算も消化しきれない実態があります。東京オリンピックは、この事態をさらに悪化させ、復興を遅らせているだけです。

3)若者雇用の改善
現在の日本の年齢人口構成に起因します。単純に、大量に退職していく団塊世代を、若い新入社員で補充できていないだけです。


2017/03/21記:比較表を小修正(左右入れ替えなど)。


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