現在の生長の家はリベラルエコロジー教団

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谷口雅宣氏

「過去の生長の家」に関してこれまで数編の記事を書いてきたが、現在の生長の家教団は全く別物であることを改めて強調したい。1983年10月以来、右翼運動からはすっかり手を引き、リベラルエコロジー教団となっている。現総裁・谷口雅宣氏(1951)は、ブログを読む限り、何事についても論理的で筋が通り、従ってリベラル的である。彼の記事のいくつかを紹介して、エールを送りたい。

まず教団HPを見ると、宗教法人としては意外なリンク「生長の家電気自動車(EV)充電スポットのご案内」が目に付く。一般のEVユーザーの便宜のため、全国の生長の家の布教拠点で無料の急速充電器を提供している。環境問題に大いに関心を寄せ、かつ実行している。

「環境保全」のタブから辿ると、「炭素ゼロ運動 – 事業所の太陽光発電導入へ設置費用の1/4を助成」というページがある。2000年から、生長の家の各事業所への太陽光発電パネル設置を推進している。会員個人の太陽光発電やEV購入にも補助を出している。

谷口雅宣総裁のブログから、注目すべきものを以下に取り上げる:

○「日本は“男尊女尊”の国」2011年2月11日
建国記念日の信徒向け講演であり、古事記/日本書紀を引き合いに出し、その骨子は:

「天照大御神」が「太陽神」でありながら女性というのは世界的にも珍しく・・・日本という国は古来、女性を重視してきた国柄・・・日本人の潜在意識には「男尊女卑」などという価値観はなく、むしろ「男尊女尊」とも呼ぶべき価値観がある。

教祖・谷口雅春氏が『古事記』を恣意的に解釈して、「夫唱婦和」(実質は男尊女卑)をこじつけ、皇国史観・国粋主義を展開した(別記事参照)のとは正に対極である。教団内の対立を知るものにとっては、重大な意味を持つ内容で、雅春氏の極右的教えを否定している。

○「原発を減らし、自然エネルギーへ」2011年5月11日
当時の菅首相の「(原発政策は)いったん白紙に戻し議論する必要がある」との表明を受けて、半信半疑ながら、歓迎の意を表している。雅宣氏は以前から原発には否定的だったことが窺える。

○「オリンピックの東京開催をどう考えるか」2013年9月 8日 (日)
東日本大震災/原発事故などのため、東京オリンピック開催には反対。

○「憲法軽視で「法の支配」を言うなかれ」2014年7月 3日 (木)
安倍内閣の「集団的自衛権の行使容認」閣議決定に対して、憲法第9条を実質的に骨抜きにしようとの意図が明らか、法治国家の大原則を無視していると痛烈に批判。

注目すべきはこの記述:
谷口雅春先生の時代には、『大日本帝国憲法復元改正論』を明確に唱えていた」。

○「今なぜ、国防政策の大転換か?」2015年5月16日 (土)
安保法制 11法案の国会提出を受けて、法の支配・立憲主義の観点から批判。

○「 “TPP大筋合意”で浮かれてはいけない」2015年10月10日 (土)
日本の農業への深刻な影響を懸念しての反対論。


以上の通り、谷口雅宣氏は民主主義について立派な見識をお持ちであり、教団は正にリベラルエコロジー的である。これなら信者になっても良い、と思う方もおられよう。

雅宣氏こそが、教団の右翼運動からの撤退とリベラルエコロジー化を進めた中心人物と言われている。彼は高校時代までは、憲法無効論を寄稿したり、三島由紀夫と親交を持つなど、「右翼少年」であったとのこと(Wikipedia)。しかし青山学院大学法学部に進み、さらに米コロンビア大学に留学し修士課程修了(国際関係論)した間に何かがあったのだろうか。

生長の家の元来の教え:「人間・神の子」「実相一元・善一元の世界」「万教帰一」はなかなか良いと思う。しかし教祖・雅春氏は 1936年頃、皇国史観と侵略戦争正当化の論を張ることで時代に迎合し(信者を増やすためであろう)、せっかくの開宗の理念を曲げてしまったと私は見る。

谷口雅宣氏は教団を元来の教えに戻しているように思える。しかし教祖・雅春氏(が曲げてしまったこと)の影響は依然として大きく、雅宣氏の闘いはまだまだ続く。国内 52万人、海外 99万人の信徒を、極右ではなく、穏健なリベラル路線に引き戻している谷口雅宣氏の存在がいかに重要かを指摘して、この稿を了としたい。

 


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