中1道徳教科書8社読み比べ

今年は中学道徳教科書を新採択とのことで、検定合格した8社の1年生向け8冊を、教科書展示会に通って一通り読んでみた。その結果は:

・光村図書    +8
・日本文教出版  -2
・東京書籍    -3
・廣済堂あかつき -5
・教育出版    -6
・学研教育みらい -6
・学校図書    -8
・日本教科書   -14

数字は[ポジティブ評価した教材数 - ネガティブ評価した教材数]。
詳細は「コメント集」を読んで頂きたい。上記評価順に、各社に2ページを割いている。各教材の内容をおおよそ推測できるよう努めて、コメントを付している。結果的に、教材の1/3ぐらいをポジティブないしネガティブと評価した。他はニュートラルとするが、特に関心を持ったものは、それらにもコメントしている。 続きを読む 中1道徳教科書8社読み比べ

現代世界の普遍的道徳は・・・『基本的人権の尊重』

光村図書HPより(一部改変)

本稿は教科としての道徳のあるべき姿を論じるものである。

道徳的な考え方は、古くは十戒など宗教的な教えや儒教など思想・倫理として様々な形で表現されてきた。共存共生の社会生活を営む上で、人類があまねく必要としてきた概念である。必要性は普遍的でも、その内容は年代、地域、宗教などにより様々であり、互いに矛盾する事柄も多く、中身は普遍的ではなかった。

現代の世界では、共存共生の社会生活を営む上での基本的考え方は、『基本的人権の尊重』として集約され、広く人類の共通認識となっている。1948年の世界人権宣言や日本国憲法「第3章 国民の権利及び義務」に謳われている通りである。

世界人権宣言の冒頭行「人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎である」がはっきりそう表明している。言い換えれば、現代における普遍的な道徳的な考え方とは『基本的人権の尊重』である。 続きを読む 現代世界の普遍的道徳は・・・『基本的人権の尊重』