自民党の2大支持団体:神政連と日本会議、その主張

自民党があのような憲法改正草案(「草案」)を出す背景は何か? 誰があのような「草案」を支持するのか? その答えは2つの主要支持団体、神政連(神道政治連盟)と日本会議の主張を知れば自明となる。この2団体の主張はほぼ同じであり、関連も深い。前者が名目的なのに対して、後者はしっかりした実働部隊を持つ圧力団体と言える。結論を先に言えば、もはや自民党はこの2団体のための政党で、特に日本会議とは表裏一体であると言っても過言ではない。

トップの表は第三次安倍内閣の各閣僚の議員連絡懇談会への参加状況[出典:俵義文(子どもと教科書全国ネット21)]。6つの懇談会を示してあるが、核となるのは以下2つで、他はその派生と見なせる。

神道政治連盟国会議員懇談会・会員303名のリスト、会長・安倍晋三、ほとんどが自民党議員

日本会議国会議員懇談会・会員リストの一部121名分、会長・平沼赳夫、会員は289名(2014年)で、維新、民主の一部も含むが、大半は自民党議員

自民党議員は衆292+参115=407人なので、7割近くが両懇談会メンバーであろうと推察される。以下に両政治団体の主張概要をまとめる。


神道政治連盟(神社本庁の政治団体)

神社本庁は宗教法人で、伊勢神宮を本宗とし、日本各地の神社の多くを包括する。国家神道の大日本帝国の時代は神社にとって黄金期だったかも知れない。しかしGHQの神道指令(1945年12月15日)により神社は国家から分離され、旧内務省の外局・神祇院を引き継ぐ形で神社本庁が設立されて、一宗教法人となった。恐らくは、感情的に大日本帝国時代が恋しく、GHQに恨みを持ち、現行憲法に幾つか受け入れ難い所があろうことが推測される。

その政治団体である神政連は、HPによると「日本の文化・伝統を後世に正しく伝えることを目的」とし、以下を目指すとしている:

・皇室と日本の文化伝統を大切にする社会づくり(男系継承の尊重)
・誇りの持てる新憲法の制定
・靖国の英霊に対する国家儀礼の確立
・心豊かな子どもたちを育む教育の実現(道徳・宗教教育の推進)

・世界から尊敬される道義国家、世界に貢献できる国家の確立(歴史認識問題)

彼らの目指す新憲法(pdf)は自民党「草案」の内容とよく一致する。

1997年に日本会議は結成されたが、それ以前からの長い系譜があり、ルーツは「明治憲法復活」を掲げた「生長の家」創始者・谷口雅春にまで遡る。過去40年間の復古的あるいは反リベラル的で組織的な運動の多くを彼らが担ってきたようである。成立の歴史や活動実態は次々回に詳しく述べる。

まずは政治的主張をまとめると、HPで自らを「美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を行っている民間団体」と定義し、目指すものは:

・美しい伝統の国柄を明日の日本へ(皇室を中心に、同じ歴史、文化、伝統を共有という一体感)
・新しい時代にふさわしい新憲法を(日本の歴史、伝統に基づいた憲法)
・国の名誉と国民の命を守る政治を(歴史認識問題と危機管理)
・日本の感性をはぐくむ教育の創造を(愛国心や道徳心、公共心を大切にする教育)
・国の安全を高め世界への平和貢献を(国を守る気概と集団的自衛権の行使)

・共存共栄の心でむすぶ世界との友好を【注:この項は奇妙、むしろ逆を実行しているような?】

彼らの目指す新憲法(pdf)は自民党「草案」の内容とよく一致する。

HP上の主張を見る限り、神政連のとほとんど一致し、特に独自性はない。日本会議の特徴は「政策提言と国民運動」を行う実行力にある。特定政策につき「署名を集め、地方議会に国への請願を議決させ、直接あるいは議員懇談会を通して政府に圧力を掛ける」手法を最も得意とする。


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